電波が微弱…っ!
サイト様めぐりどころかメールチェックすら出来ないなんて酷い…(凹)。
でもなぜかこのブログだけはちゃんと開いたのですが(苦笑)。
以下、ちょっと頭悪い感じの二人のお話です。
もうお分かりかと思いますが、短くて支離滅裂です(直せ)。
「まったく、貴方はなにをしても卑猥だな‥」
「・・・・は?」
突然に、しみじみと呟かれた口調とは裏腹な内容の言葉に、狼は生憎と返す言葉を持ち合わせていなかった。
「貴方のひとつひとつの動作が、どうしても卑猥にしか感じられないのだ‥」
狼の問い返しに、またもや同じような言葉を零した天才検事は、憂うようにため息をついた。
きっと、狼の所作全てに色を感じてしまうのだと言いたいのだろう。しかし。
「いくらなんだって、『卑猥』はねぇだろ‥」
言われていることはまんざら嫌なことでもないのだが、いかんせん、言葉を武器にするのを生業としているはずの検事が選んだその単語には納得がいかない。
「要はアレだろ?俺が、立ってても座ってても飯食ってても、常にセックスアピールが激しいってことが言いたいんだろ?」
「…まぁ、そういうことだな」
「『卑猥』・・・とは違くねぇ?」
「・・・そうだろうか」
狼も別に日本語の研究をしているわけではないから、ネイティブに対して意見するのはどうかとも思うのだが、『卑猥』というのは少々ひっかかるものがある。
「せめて『いやらしい』とか『エロい』にとどめといてくれねぇか。」
「貴方は、そういったバリエーションも豊かなのだな。」
一体どんな勉強の仕方をしたのだ、などと、目の前の検事はまるで論点がずれた所で眉間に皺を寄せている。
「そんな覚え方でもしなきゃ、面白味がねぇよ。
俺はアンタと違って、日常会話から入るからな。当然ジャンクから覚えるさ。」
捜査で必要なのは、とにかく会話だ。書物を読んだり、辞書を引いたりは二の次となる。
「…で、なんでいきなり『卑猥』だとか言い出したんだよ」
興味深い言語の話は置いておいて、ともかく気になる話題に戻ってみる。
手の届く位置にいる検事を抱き寄せれば、相も変わらず額に皺を刻んだまま、それでもおとなしく狼の腕に収まり、背中を預けてきた。
「もう、付き合い始めて一年も過ぎようというのに、貴方が何をしていても……その、…気になるのだ‥。」
腕の中の恋人は、戸惑うように、言葉を選んで問いに答えてくれる。
その内容は、実にくすぐったいものだ。
「そりゃぁな、俺も一緒だぜ?
アンタが目の前にいるってだけで‥否、アンタのこと想っただけでもすげぇドキドキする」
聴いてみるか?と、掌で頭を引きよせて胸に耳を宛てさせれば、自然に瞳が閉じられる、たったそれだけのことでも跳ね上がった心音は、きっと相手にもよく聞こえていることであろう。
「一生で打たれる心拍数は決まっているそうだな…」
耳を胸に宛てたままの恋人が、視線だけでこちらを伺う。
そんな無自覚の上目遣いだって、いちいち可愛いのだから始末に負えない。
「アンタのこと見たり考えたりして寿命が縮むんなら、それはそれで良い人生だろ?」
そう言って肩をすくめれば、視線を伏せた相手の耳朶が桃色に染まっていて、珍しいものを見たと、それだけでとても得をした気分になれる自分はおかしいだろうか。
「願わくば、アンタも同じくらい寿命縮まってくれてりゃ、いっしょに逝けるな?」
まだ相手の頭に乗せたままだった手でグレイの髪を撫でる。
そのとき不意に、小さく、本当に小さく彼が呟いた『私の方が先かもしれん‥』という言葉は、たった二人きりの部屋では容易に狼の耳に届き、大いに狼を参らせた。
「おいおい…その一言でまたイーブンだぜ。」
FIN...