今日は、仕事帰りに行きつけのラーメン屋さんに行ってきました。
いつもはこってりなチョイスなのですが、今日は初めて、あっさり系の一杯をチョイス。
夏バテ気味な身体には優しい味で美味しかったですv
そして昨日は沢山拍手を頂いたので、調子に乗って、以下SSSです。
とっても励みになります!皆様有難う御座います!!
恋人同士になってから何度目かになる狼の訪日。今日は珍しく御剣の仕事が早く終わり、一旦御剣の家でラフな格好に着替えてから、夕飯を食べに行きがてら夜の散歩でもしようということになった。
御剣宅近辺を、暫くあてもなくぶらついた結果、文字通り呆れるほどに嗅覚がいい狼が発見した小さなフレンチのお店は、アットホームながら非常に味も良く、二人を満足されるには充分であった。
しかし、そのアットホームさゆえにカードの使用が出来ず、二人は現金での会計を余儀なくされた。食事の度に交互に会計を持つという二人のルール上、今回の支払いは狼で、御剣は狼の財布から日本札が出てくるという、当然のことながらもどこか奇妙な光景を目にすることになった。
そして更に見なれないことに、狼はその貰ったつり銭を、わざわざ財布とは別の小銭入れに放りこんだ。
「おつり貯金か?」
豪快なイメージの彼に、それがあまりにも似合わなくてくすくすと笑えば、ポケットマネーさ、と狼は肩をすくめた。曰く、彼はそうやって用途不明金を自ら作り出し、カードを使うまでもない小さな額のものを買う時に役立てているのだそうだ。
「特に、日本じゃそういうのが多いからな」
確かに、諸外国に比べれば紙幣の額が大きいこともあって、小銭を使う機会が多いかもしれない。
「あぁ、そうだ。それで思い出したんだけどよ…」
「?」
「アレ、何なんだ?」
ずっと気になっていたんだと狼が指差したのは、道端にある小さな器械で、俗に"がしゃぽん"や"がしゃがしゃ"などと呼ばれている代物であった。
「アンタの好きなトノサマンの絵が貼ってあるから気になってたんだけどよ」
確かに、その器械にはトノサマンのポスターが内側から貼られている。海外にもこの手の器械は沢山あるのだろうが、普段の彼はあまり気にも留めないのであろう。
「あぁ、中にはカプセルが入っていて、ここにコインを入れて取っ手を回すとひとつ出てくるのだ。
ただし、どの商品が出てくるかはわからない。そこが魅力なのだろうな。
最近は子供だけでなく大人も楽しんでいるらしい。私も試したことはないが…」
「じゃ、やってみようぜ?」
説明の途中から既にやる気満々の様子であった狼は、御剣の説明が終わるや否や、ポケットに仕舞ったはずの小銭入れを引っ張り出していた。
小さな器械を前に喜々としてしゃがみこむ様子は、小さな小銭入れを弄る姿の数倍も見なれないものだったが、それが夜中の人通りがない小道であれば、愛おしい姿として映る。
御剣も歩み寄ってその傍らにかがみこんだ。
「アンタはどれが出ると思う?」
100円玉をセットしてから、問いかける様は本当に少年の様で、御剣の口元は知らず綻んだ。
「本命は勿論トノサマンだが…、そうだな。ワカサマンと予想しよう」
「じゃ、俺の予想はトノサマンだな。ホントに引いたらアンタの携帯につけてくれ」
狼はそう言ってから、ゆっくり取っ手を回した。
がしゃん、という音と共にカプセルが転がり出てくる。
普段二人が味わっているものとはまた違う緊張が漂うなか、狼の手によってカプセルが開けられた。
「トノサマン…」
「ほらな。俺の引きは本物だぜ?」
嬉しそうに言われてしまえば、実は7種類中3種類はトノサマンなのだという事実を口にする気にもならない。
「携帯」
「今つけるのか?」
「じゃなきゃアンタ、カプセルのままとっときそうだからな」
疑り深い狼に、それでも完全に否定が出来ない御剣は大人しく携帯を差し出す。ここで、とっときそう以前に不器用な御剣にはとっておかざるを得ないかもしれないということをつきつけないところが、狼が御剣と恋人で居られるゆえんとも言えよう。そんなことは気付かれもしない程の器用さで携帯にキーホルダを通した狼は、満足そうに御剣の手にそれを戻した。
「ありがとう…」
「…と、まぁこんな感じの用途だ」
「ここまでが小銭入れの説明の内だったのか?」
小さくではあるが直截に礼を述べれば、珍しく照れたように誤魔化した狼に、御剣はまたも笑みを隠せない。
「それでは、次回から私もあなたを見習って小銭を活用するとしようか」
二人は立ち上がって、小さな器械を後にする。
この次は、どんな風に小銭を使おうか?そんな話をしながら…
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狼が日本に来るたびに、みったんのUSBメモリとかにキーホルダーがつけられていきます。
トノサマンのキーホルダー見て満足そうにしてるのかと思いきや、
実はガシャポンやってる師父を思い出して満足そうにしてるみったん萌え!